経胸壁心エコー図検査における断層法とドプラ法の自動計測精度の検討Automatic Measurement Accuracy of Tomographic and Doppler Methods in Transthoracic Echocardiography
近畿大学奈良病院臨床検査部Kindai University Nara Hospital, Division of Clinical Laboratory
近畿大学奈良病院臨床検査部Kindai University Nara Hospital, Division of Clinical Laboratory
目的:GEヘルスケアジャパン社製Vivid E95超音波装置における自動計測と従来の手動計測との妥当性について検討する.
対象と方法:2020年9月~2020年12月に経胸壁心エコー図検査を施行した,心拍数100回/分未満の洞調律症例271例.傍胸骨左室長軸断面から拡張末期時相で左室拡張末期径,心室中隔厚および左室後壁厚,収縮末期時相で左室収縮末期径について自動計測と手動計測で比較した.左室流入血流速度E波および減速時間,A波,僧帽弁輪拡張早期運動速度E′(心室中隔側,側壁側),大動脈弁最大通過血流速度についても同様に比較した.ドプラ法の自動計測は,設定できる検出感度幅を0.5~10.0まで計測し,自動計測検出率および自動計測と手動計測で比較した.
結果と考察:左室拡張末期径,心室中隔厚,左室後壁厚および左室収縮末期径については,描出状態が良好な101例において自動計測と手動計測で有意差を認めなかった.ドプラ法の各計測項目の検出率は81%~100%であった.手動計測と有意差を認めない検出感度範囲は左室流入血流速度Eで5.0–5.7, Aで4.5–5.5, 僧帽弁輪拡張早期運動速度E′は心室中隔側で3.4–4.2, 側壁側で1.9–2.6および大動脈弁最大通過血流速度で4.2–4.8であった.
結論:左室径およびドプラ法の自動計測は描出状態や感度が適切な場合,手動計測と同等の精度が得られる.
Key words: cardiac automatic measurement; cardiac manual measurement; left ventricular diameter; cardiac auto doppler
© 2022 一般社団法人日本超音波検査学会© 2022 Japanese Society of Sonographers
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