超音波検査技術

ISSN: 1881-4506
一般社団法人日本超音波検査学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5
Japanese Journal of Medical Ultrasound Technology 40(4): 409-414 (2015)
doi:10.11272/jss.40.409

研究研究

エラストグラフィを用いた下肢静脈圧推定の試みEstimation of Lower Limb Venous Pressure Using Elastography

1国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院臨床検査科Department of Clinical Laboratory, Yokohama Minami Kyosai Hospital ◇ 〒236-0037 神奈川県横浜市金沢区六浦東一丁目21番1号1-21-1 Mutsuura-Higashi, Kanazawa-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 236-0037, Japan

2国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院心臓血管外科Department of Cardiovascular Surgery, Yokohama Minami Kyosai Hospital ◇ 〒236-0037 神奈川県横浜市金沢区六浦東一丁目21番1号1-21-1 Mutsuura-Higashi, Kanazawa-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 236-0037, Japan

受付日:2015年1月7日Received: January 7, 2015
受理日:2015年6月12日Accepted: June 12, 2015
発行日:2015年8月1日Published: August 1, 2015
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はじめに:エラストグラフィを用いて血管内圧の推定が可能か基礎実験施行し,下肢静脈瘤患者に適応し静脈圧が重症度で上昇しているか検討した.

対象と方法:上腕動脈:ボランティア40名(男性13名)左上腕血圧とストレイン値(左肘屈曲部より5 cm上部)を測定した.ストレイン値と上腕動脈血圧の相関を回帰分析にて検討した.下肢静脈:下肢静脈瘤肢96肢.健常肢11肢(CEAP分類内訳C0: 11肢,C2: 31肢,C3: 18肢,C4: 29肢,C5: 1肢,C6: 6肢)を対象に立位にて膝下5 cmでストレイン値を測定.上腕動脈から求めた回帰式を用い静脈圧値の推定を行った.使用機器:東芝社製Aplio500.リアルタイムエラストグラフィ,12 MHzリニアプローブを使用.

結果:上腕動脈圧とストレイン値は相関を示した(r=0.43, p=0.005).下肢静脈ストレイン値はC0: 0.75±0.45,C2: 2.63±1.13,C3: 3.20±1.61,C4: 3.44±1.43,C5: 7.86,C6: 6.41±2.56であり重症度が増すとストレイン値は上昇傾向がみられ,静脈性高血圧をきたしていることが示唆された.

結語:ストレイン値を用いて血管内圧を推定できることが示唆され下肢静脈重症度評価に使用できる可能性が示唆された.本法を用いると下肢静脈瘤患者の静脈圧は重症度にしたがって上昇していた.

キーワード:エラストグラフィ;静脈圧;一次性下肢静脈瘤

Key words: elastography; venous pressure; varicose veins

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