超音波検査技術

ISSN: 1881-4506
一般社団法人日本超音波検査学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5
Japanese Journal of Medical Ultrasound Technology 49(3): 237-243 (2024)
doi:10.11272/jss.415

症例報告Case Report

Gemella morbillorumによる弁破壊を伴った感染性心内膜炎の1例A Case of Infective Endocarditis with Valve Destruction Caused by Gemella morbillorum

1国立病院機構鹿児島医療センター臨床検査科Department of Clinical Laboratory, National Hospital Organization Kagoshima Medical Center

2国立病院機構鹿児島医療センター第二循環器内科Second circulatory system, National Hospital Organization Kagoshima Medical Center

受付日:2023年6月20日Received: June 20, 2023
受理日:2024年2月13日Accepted: February 13, 2024
発行日:2024年6月1日Published: June 1, 2024
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症例は30代男性.2週間持続する発熱と倦怠感にて前医受診し,感染性心内膜炎が疑われ,精査加療目的で当院紹介となった.経胸壁心エコー図検査において,僧帽弁前尖の疣腫の付着と弁穿孔および腱索断裂,弁周囲膿瘍を疑う所見を認め活動期感染性心内膜炎が疑われた.即日入院加療となり,血液培養からGemella morbillorumが検出され,感染性心内膜炎と診断された.抗菌薬加療により,入院31日目の経胸壁心エコー図検査で,感染の治癒化,感染波及の消退を認めた.僧帽弁置換術が施行され経過良好にて退院となった.

今回,弱毒菌であり,口腔内や上気道,消化管,尿路などに常在する通性嫌気性グラム陽性球菌で,感染性心内膜炎の起因菌として検出されることがまれなGemella morbillorumによる弁破壊を伴った感染性心内膜炎の症例を経験した.経胸壁心エコー図検査は,治療による弁および周囲への感染波及の経時的変化を捉えるのに有用であると考えられた.

Key words: gemella morbillorum; infective endocarditis; valve destruction; perivalvular abscess

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