超音波検査技術

ISSN: 1881-4506
一般社団法人日本超音波検査学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5
Japanese Journal of Medical Ultrasound Technology 44(1): 33-39 (2019)
doi:10.11272/jss.44.33

研究Research Paper

膝伸展位における膝窩静脈描出法外側アプローチ走査法の有用性Validation of Scanning with Lateral Approach at the Knee Extended Position as a New Ultrasound Technique for Popliteal Vein

1広島逓信病院放射線室Department of Radiology, Hiroshima Post and Telecommunications Hospital

2広島逓信病院外科Surgery, Hiroshima Post and Telecommunications Hospital

受付日:2018年3月22日Received: March 22, 2018
受理日:2018年10月12日Accepted: October 12, 2018
発行日:2019年2月1日Published: February 1, 2019
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目的:膝関節屈曲困難例に対する膝関節部外側アプローチ走査法の有用性について検討すること.

外側アプローチ走査法:膝伸展位においてプローブを膝関節部外側の大腿二頭筋腱の背側から約15°仰ぎ見るようにアプローチする.

対象と方法:対象は背側アプローチ走査法(膝関節は軽度屈曲,股関節は軽度外旋位にてプローブを膝窩部からアプローチする)の圧迫法にて血栓を認めた連続15例(65.7±10.5歳,男性10例:女性5例,右肢5例:左肢10例,早期血栓4例:晩期血栓11例).背側および外側アプローチ走査法による長軸断面像にて膝窩静脈の1)描出深度,2) Bモード像における血栓の視認性,3)カラードプラ法による血栓の存在評価と性状評価について比較検討した

結果:1)背側アプローチ走査法:23.1±4.7 mm,外側アプローチ走査法:30.1±9.0 mm.2)“視認不可”はそれぞれ4例(26.7%),10例(66.7%).3)早期血栓4例,晩期血栓11例中ではいずれも血栓の存在評価が可能であり,性状評価も一致した.

結論:外側アプローチ走査法は背側アプローチ走査法に比し膝窩静脈の描出深度は深く,視認性も劣っている傾向であったが血栓の存在と性状評価は同等であった.外側アプローチ走査法は長軸断面カラードプラ法による評価ではあるもののきわめてシンプルな走査法であり膝屈曲困難例に有用と考えられた.

Key words: politeal vein; knee extented position; lateral approach; point of care ultrasound

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